生徒だけど寮母やります!2



それから数時間が経ち、家に二十代半ばと思われる美しい女性が帰って来た


何度か見たことがあるその人は、伊吹家の娘だ



「ただいまー。あら、ハナちゃん帰ってたのね、昨日ぶりだね〜」


「ワンッ」


「お母さんのお友達に遊びに連れていってもらったんだって?よかったね、いっぱい遊んだかな?」



彼女は淡いピンク色の革の鞄をソファに置き、見上げる私に微笑んでからしゃがんで頭を撫でてくれた


「昨日の夜から今日の朝までは、私の弟の結斗が来てたのよ。新しい家族を見せたかったんだけど、丁度会えなかったねぇ」


その言葉に思わず反応ができず、ただ黙って彼女を見つめる


「んふ、またいつか会えるわね。お母さん見てくる」


そう言ってから立ち上がった彼女は、パタパタ母親の部屋へと駆けて行った



新しい家族だと言われた


複雑だなぁ.....



犬になってしまう人間の私を受け入れてくれる人はいないのに



最初から犬なら家族にだってなれるらしい



本当の私は、どこかへ消してしまった方がいいのだろうか



正真正銘の出来損ないだから

そんなことなど出来ないのに