景がポツリとそう呟くと、ライはチラリと景を見てからフッと笑った


「景、笠上美音には希望があった。周りに自分のことを理解してくれる人がいないなら、自分はそんな人に出会うために動ける。そう言ってた。だからきっと死ぬ選択なんてしない」


「ライ.....」


景は驚いたようにライを見てから

「そっか.....そうだね」

と力強く頷いた


弥隼の占いで出てきた、美音の命が削られている現状については何もわからないけれど


それは裏返せば生きているということだ



お姉ちゃんに会いたい


あの時、何も知らずお姉ちゃんに手を差し伸べられなかったことを

やり直したい


彼女が暗闇の中にいるのなら

きっと今なら助け出せる


どこにいるの.....

お姉ちゃん


景は目の前を見た

自分を心配そうに見つめているのは、大好きなライ、結斗、咲夜、市河


そして、今日出会えた弥隼、千冬、千加、満宵、ルーク


「よし、なんか色々と嫌なもの見せちゃったかな!みんなで一年生の引越し作業を手伝おう!」


景が明るくそう言うと、彼らは気丈な景に安心したような顔で微笑んだ