生徒だけど寮母やります!2



少し進むと、その先に待っていたのは開けた広間だった


「また怪しい場所だな」

「絶対なんかあるね」

「間違いなく」


中央には赤く重厚な布が菱形にかけられたテーブルがあり、皿やナイフ、フォークやスプーンなどの食器類も、それぞれの椅子の前に丁寧にセットされている


ただしどれも苔がこびりつきヒビ割れ、所々が酸化して赤茶に変色していた


床にも埃がつもり、透明だったはずの窓ガラスはくすみ汚れて外も見えない



大昔、誰かが大切な人々と晩餐を共にしようとするもその時が来ぬまま、永遠に時間が止まってしまったような空間だった



2人の予想通り何やら広間の先の暗がりから、黒い影が近づいて来る



市河は気配と音により判別できるそれをジッと見ると、景の耳元に囁いた


「ごめん.....視た。多分コウモリ.....それも10匹くらい」

「10匹!?」


景は数の多さに驚くと、寧ろ視てもらって良かったかもしれないと思いながら眉唾を飲む


ゆっくりと集団で近づいていたはずのコウモリの音は鋭くなり、2人ともコウモリが加速したのだと察知する


瞬時に顔を見合わせると、景は胸にバッと手を当て


「読んで.....!」

と囁いた