2人は全力疾走で少女の横を通過した
走った勢いで手首と手首をつなぐブレスレットの鈴がなり、市河は「やべっ」と漏らす
シャラシャラシャラ
軽い金属の高い音はよく響き、景も受付の女子生徒の言葉を思い出した
曰く、『ブレスレットを揺らしすぎて鈴が大きい音で鳴りますと化け物たちは一層集まってきてしまいます』
「景、止まろう.....!あいつは追いかけてこない」
「う、うん」
全力で駆け抜けたい衝動を抑え、景は出来るだけ市河に隠れるように立ち止まる
怖くて後ろは振り返れなかった
「あの.....景」
「うん?」
「俺、透視とか使えるし.....もし本当に怖かったら言って。出来るだけ回避出来るようにする」
景は市河の自分を心配する提案に「え.....」と驚きを含めた声を漏らす
斜め前に立つ美少女が見慣れた彼本来の姿と重なり、とても頼もしく思えた
「ううん、大丈夫。てか透視使うって醍醐味クラッシャーだなぁ、悪いやつだなぁ」
「え.....いや、でも怖いだろ?」
市河は何故かニヤリと笑う景に責められ戸惑いの表情を見せる
恐らく彼は景を無理やり連れてきたことを悪いと思い提案してくれたのだろうが、そこまでさせるほど彼を責めてはいない
というより、全く責めていない
「怖いけど、楽しんでるからいいよ!ほら行こう」
そう言って次は景が先に歩みを進めたので、市河も慌てて足を踏み出した



