それに対して舌を巻く発言をしたのは、法律家のカードに少し良い反応を示した結斗自身だった


「ただ、確かに少数すぎる。魔術、妖術が使える特別な人間に生まれたのに、難しい勉強をして弁護士にならなくたって食いっぱぐれないからね。圧倒的に数がないんだ。

魔術妖術関連のトラブル多発で仕事が多忙を極める彼らに、俺たち高校生が依頼するお金なんかないよね」


景はその問題点に着目した


依頼するお金の不足.....

魔術妖術使いの弁護士の不足.....


テーブルに両手をつき俯いている結斗


しかしその顔は


難色を示す発言とは裏腹に、すっきりとしていた


「結斗」

景に名前を呼ばれた結斗は、視線をパチリと合わせる

「景ちゃん.....」


しばらく互いは何も言わずに見つめ合う


ライも一瞬目を見張ってから結斗を凝視した


「俺たち知ってるよね.....」


景、ライ、結斗

この3人以外は何のことを言っているのか、まるで分からず困惑した表情を作ったが___


結斗はこう続けた



「___去年市河神社に夏祭りに行った時、弁護士になる為に大学まで出たのに、その後結局夢を諦めた人の話。2人も今この話が出てすぐに、それ思い出したんじゃない?」



ゴクリと唾を飲んだ景は



「うん.....」


と小さく頷いた