数分後


「えーーっと.....まぁ君たちがこの寮に凄い勢いで入ってきたときから、若干予想はついてたけど.....君たちが今年度の男子寮Bの入寮者で間違いないのかな?」


結斗は先ほどの男子生徒たちを共同リビングのソファに座らせると、自分も向かい合うように座り、少し戸惑いながら尋ねた


人数は5名

予想以上に多い


結斗の横に座るライの不機嫌そうな目に怖気づいたのか、1人が僅かに肩を強張らせ「そ、そうです」と頷く


空気は強張り、まるで自分たちが彼らを尋問でもしているかのようだ


「あーあのー.....まぁそんなに怖がる事ないよ、新入生君たち。この人.....ライの機嫌が悪いのはいつもだから」


咲夜としては固まっている新入生たちが不憫なので、安心させようと思い言ったのだが

その瞬間に5人の顔が「えッ.....」と曇り、場は沈黙となった


これから一緒に生活する上級生の機嫌が常時悪いというのは、あまりこのタイミングでは知りたくない



今もなお足と腕を組んでドカッとソファに座るライの態度が悪いのだが


当の彼は

アホかこいつ.....

そんな視線を咲夜に向けてから話を進めた


「まぁ大方状況は分かる。この学校についた途端に男子寮Bに行けなんて言われて、追いかけてくる女子たちから逃げるように地図片手にここまで走ってきたんだろ」


ライの言葉に、新入生たちは僅かに驚いて「そうです」「その通りで.....」と頷いた


「あー、俺らもそうだったねぇ」


思い出すように言う咲夜

当時はまだ男子寮Bにはいなかった市河は「へぇ」と声を上げる