その日の夜
妖術結社の会議室にてアカギ曰く『狐の密会』なるものが行われたわけだが
その内容に爽馬は珍しくもかなり動揺していた
「我々が月沼トレーディングと手を組んで伊吹を陥れる?よくそんな事がさらりと言えますね頭溶けてるんですか」
四角形をつくるような会議室のテーブルにて、父親と向き合う形で反対側に座る男性が怒りを露わに言う
二十代後半と思しき彼は多分自分の兄だろうが、そんな事はどうでも良い
爽馬は依然冷静に腰掛ける父親を目を開いて睨んだ
「落ち着きなさい由馬」
「どうして落ち着いていられますか。これは妖術結社には秘密で、あんたが勝手にやろうとしてる事でしょう。伊吹グループが憎いなら一人で好きにやってくださいよ。俺たちには関係ない」
その場にいた8人の意見を代弁するかのようにキッパリと言い切る兄、由馬
小さい頃には会ったことがあるのだろうが、妖術結社に来てから彼を見たのはこの会議室が初めてだ
兄弟の中でも珍しく感情を真っ直ぐ父親にぶつける彼に、爽馬は好印象を持った
先ほど父親から話されたことは
『この8人とハナ(美音)、そして月沼トレーディングと手を組んで、伊吹グループを陥れる計画が進んでいる』という事
しかも、妖術結社名義の仕事では無い
アカギも
「そうですよ。それにどうやってあのデカイ会社を潰すんですか。無理です」
と反論する
爽馬に認識可能な4歳上の兄、隆馬も
「そんな大規模な話を僕たち‘‘子供”に持ち掛けないでください」
と父親を睨んだ



