景はそう満足げな表情で礼を言うと、ルークはどういたしましてといった表情で笑った


これで、一年生の自己紹介は終わりだ


「景、実は俺ら、景が来る前に軽く自己紹介したんだ」


市河が景にそう告げると、景は「そうだったんだね」と頷き

「それじゃあ最後は私だね」

と姿勢を正して微笑んだ


全員の視線が自分に集まり、少しばかり恥ずかしいような気持ちになる


なんか.....

こうも男子が揃うと威圧感が凄いな.....


男子寮にも女子寮にも慣れてるはずなんだけど、メンツがメンツっていうか


そんな事を考えながら、景は言った


「えっと、魔術科2年。一応狼女の笠上景です。よろしくお願いします」


その途端


一年生の顔色が、パッと変わる


そんな光景に景は顔色を曇らせた



なっ.....なんか言った?

「一応狼女」がマズかったのかな.....


怖いけどでも

みんなの事を知りたいと願うなら


私だって自分のこと、ちゃんと言わないといけないんだ.....!


「あのっ、狼女なんだけど、実は不完全な狼女っていうか.....あんまり言わないで欲しいんだけど.....」


慌ててそう補足する景



しかし問題の発言はそこではないようで



ふるふると首を振りながら口を開いたのは千冬だった




「寮母さんって.....生徒で.....しかも先輩なんですか.....」