千冬と千加曰く
彼ら『音霊使い』というのは、存在する音を操ることができるそうだ
一方、満宵の『音属性の魔法使い』とは、自ら奏でた音に魔力を宿すという
ルークは双子からその説明を聞いて、確かに満宵はいつも小さな笛を通した革紐のネックレスをしていると言った
体育の前、教室で体操着を着るときに見えるのだと言う
咲夜は防犯ブザーみたいでなんか良いな、と笑った
「それじゃあ、いくよ.....千加」
「了解」
結斗の姉が母の部屋の中に行った後、双子はその部屋の前に立って、ドア横の壁にそっと手を当てる
みんなが見守る中
部屋の中の音だろうか、音が一瞬ぐわぁんと反響し、部屋の外にいる全員に聞こえるまで大きくなった
「すげ」
「音を引っ張り出してるみたいやな」
音を操るってこういう事かと、市河と弥隼が感嘆の声を漏らす
『お母さん、体調はどう?』
聞こえてきたのは、結斗の姉の声
全員は顔を見合わせると、その話に耳を傾けた



