さて、伊吹家だが


景とライが出て行った後、『伊吹家は誰から犬(笠上美音)を貰ったのか』を知るために、残りの全員は動き出した


「やっぱり、お母さんには結斗が帰ってきてるのは内緒にして、誰から犬を貰ったのかを私が聞いた方がいいと思うの」


些細な事で倒れたり寝込んでしまう結斗の母を考慮しての姉の発言に、結斗は

「そうだね」

と頷いた


「もちろん、犬が女性に変わって窓から出て行ったなんて事も言わないですよねお姉さん?」


そう笑いながら尋ねる咲夜に


「今は絶対に言えないわ、そんなこと」


と結斗の姉は苦笑する


「そうだね」

結斗は姉の肩をポンと叩くと

「俺も一緒に聞けないのは残念だけど、よろしく頼んだよ」


と彼女に頷いた


「先輩。ちょーっと待って」

「僕たちの能力、忘れてますよ」


そこに、2人揃って千冬と千加が前に出る


息ぴったりにニヤッと笑う2人


「お、イクラちゃん。なんだなんだ?」


市河がどことなく嬉しそうに、期待して2人を見た


ピンときた結斗が口を開く

「あ、そうか.....君たちは確か音霊(おとだま)使いの.....」


「正解です。結斗先輩」


頷いたのは千冬


千加は視線を千冬から全員へと戻すと


「音の操作なら俺らの得意分野。壁を隔てた音も捕まえてみせます。まぁ任せてよ先輩」

と結斗を見た