「分かったわ。話してくれてありがとう結斗」
結斗の姉はため息をついてそう言うと、もうだいぶ冷静になったのか
「ごめんね、みんな.....結斗の後輩の一年生の子までこんな事に付き合わせてしまって」
そう言って謝った
「いえ、気にしないでください」
「そうですよ。頼ってください」
頼りになる常識人、千冬と市河が首を振り
景も
「そうです。それにアレは私の姉なので.....謝らなくちゃいけないのはこっちなんです.....」
と頭を下げた
「話を聞いてると、そうみたいね。でも違うわ、全然貴女のせいなんかじゃないわよ。気にしてくれて、ありがとね」
結斗の姉はそう言って景の手を取る
綺麗な手に優しく握られ、ふわりと微笑まれて、景はまたも少し泣きそうになってしまった
「お姉さん美人ですね!」
「.....バカ咲夜」
「バカじゃありまーーせん。まぁ結斗の姉さんだしDNA的に綺麗なのは予想できるけど」
咲夜とライのやり取りに、結斗の姉はフフと笑う
穏やかになったように思われた空気だったがそれもつかの間
誰もがわかっていたけれどなかなか言い出せなかった事を、ライが言った
「でも、犯人はもう分かるよな、結斗。お前の母さんがシベリアンハスキー貰ったって、まさか爽馬たちYから貰った訳ないだろ。ある程度親しい人か、信頼のある人からじゃなきゃ犬なんて貰わねぇよ。
シベリアンハスキーを誰から貰ったのか。誰が昨日、結斗との鉢合せを回避させるために連れ出したのか..........それが分かればこれを企んでる奴らに直結する」
結斗はそれを聞いて
「その通りだよ」
そう頷いた



