生徒だけど寮母やります!2



「分かったわ。話してくれてありがとう結斗」


結斗の姉はため息をついてそう言うと、もうだいぶ冷静になったのか


「ごめんね、みんな.....結斗の後輩の一年生の子までこんな事に付き合わせてしまって」

そう言って謝った


「いえ、気にしないでください」

「そうですよ。頼ってください」


頼りになる常識人、千冬と市河が首を振り


景も

「そうです。それにアレは私の姉なので.....謝らなくちゃいけないのはこっちなんです.....」

と頭を下げた


「話を聞いてると、そうみたいね。でも違うわ、全然貴女のせいなんかじゃないわよ。気にしてくれて、ありがとね」


結斗の姉はそう言って景の手を取る


綺麗な手に優しく握られ、ふわりと微笑まれて、景はまたも少し泣きそうになってしまった


「お姉さん美人ですね!」

「.....バカ咲夜」

「バカじゃありまーーせん。まぁ結斗の姉さんだしDNA的に綺麗なのは予想できるけど」


咲夜とライのやり取りに、結斗の姉はフフと笑う


穏やかになったように思われた空気だったがそれもつかの間


誰もがわかっていたけれどなかなか言い出せなかった事を、ライが言った


「でも、犯人はもう分かるよな、結斗。お前の母さんがシベリアンハスキー貰ったって、まさか爽馬たちYから貰った訳ないだろ。ある程度親しい人か、信頼のある人からじゃなきゃ犬なんて貰わねぇよ。

シベリアンハスキーを誰から貰ったのか。誰が昨日、結斗との鉢合せを回避させるために連れ出したのか..........それが分かればこれを企んでる奴らに直結する」


結斗はそれを聞いて

「その通りだよ」


そう頷いた