生徒だけど寮母やります!2








「これはあくまで俺の推測で、間違ってる可能性が大いにあることも頭に入れて欲しい」


一連の推理の前に、そう前置きする結斗


ソファに座る景は横の彼を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ


な.....なんだろう.....

知りたいけど、でも怖いのに


ライもズカズカと聞くしなぁ.....


景が、なにが起こっているのか全く見当もつかず、僅かに震えた手をぐっと握りしめたとき


景の心情を知ってか知らずか、ライのテレパシーが景の中に流れ込んできた


(悪かったな。勝手にどんどん事情聞き出そうとして、話し進めて)


景の対角線上に立って結斗を見ているはずのライの言葉


景は目を丸くしてライを数秒見つめると


(えっ、なんで思ってることわかったの)


思わず心の中でそう聞き返してしまった


(手、震えてる)


(わ.....ま、まじか。いやなんかもう、本当にうちの姉が侵入して申し訳ございませんって感じだよ)


(.....確かに、お前にとってはそうなのか)


(うん.....勿論お姉ちゃんも心配なんだけど、やってることがやってることだし。今はお姉ちゃんを擁護するわけにはいかないからね.....。それより伊吹グループだよ)


ライは僅かに苦い顔をする景をちらりと見てから、また視線を元に戻す


景はてっきり、彼とのテレパシー交換が終わったものかと思ったが


(お前の姉さん、会ったの2回目だけど、完全に悪い奴だとも思いにくくて困る)


最後にライはそう付け足したので


景は人がいなかったら泣いてるかもしれないな、と思った