「これはあくまで俺の推測で、間違ってる可能性が大いにあることも頭に入れて欲しい」
一連の推理の前に、そう前置きする結斗
ソファに座る景は横の彼を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ
な.....なんだろう.....
知りたいけど、でも怖いのに
ライもズカズカと聞くしなぁ.....
景が、なにが起こっているのか全く見当もつかず、僅かに震えた手をぐっと握りしめたとき
景の心情を知ってか知らずか、ライのテレパシーが景の中に流れ込んできた
(悪かったな。勝手にどんどん事情聞き出そうとして、話し進めて)
景の対角線上に立って結斗を見ているはずのライの言葉
景は目を丸くしてライを数秒見つめると
(えっ、なんで思ってることわかったの)
思わず心の中でそう聞き返してしまった
(手、震えてる)
(わ.....ま、まじか。いやなんかもう、本当にうちの姉が侵入して申し訳ございませんって感じだよ)
(.....確かに、お前にとってはそうなのか)
(うん.....勿論お姉ちゃんも心配なんだけど、やってることがやってることだし。今はお姉ちゃんを擁護するわけにはいかないからね.....。それより伊吹グループだよ)
ライは僅かに苦い顔をする景をちらりと見てから、また視線を元に戻す
景はてっきり、彼とのテレパシー交換が終わったものかと思ったが
(お前の姉さん、会ったの2回目だけど、完全に悪い奴だとも思いにくくて困る)
最後にライはそう付け足したので
景は人がいなかったら泣いてるかもしれないな、と思った



