彼の方が兄なのではないかと思うようなその言葉に、その場にいた全員は顔をほころばせる
「千に冬で千冬、千に加えるで千加、綺麗な名前だね!」
笑顔でいう景に千冬はふわりと微笑む
しかし当の弟、千加の方はあまり気にしていなさそうだ
「まぁ名前なんて気にしないけどー」
考えも、容姿も異なる
でもどこか通じるものがある双子
そんな彼らの次に手を挙げたのは
「じゃー次は俺で」
景を取り押さえたうちの一人、関西弁が特徴的な身長の高い男子だった
「妖術科、卜術(ぼくじゅつ)師、喜多 弥隼です。よろしくお願いします」
見た目は高身長で爽やかなイケメン
よく見ると体格はガッチリとしていて逞しいそんな彼から出た単語
『卜術』なるものに、景の頭は完全に持って行かれていた
ぼ.....墨汁.....?
なにそれ.....?
隣に座っている市河を見ると、彼は多少驚いたような顔をしている
そういえば、日向は妖術科だから.....
「ね、ねぇ.....ぼくナントカって何?」
景はそう日向に耳打ちすると、テーブルを挟んで向かいに座っていた結斗が「聞こえてるよ」と微笑んで言う
「ご.....ごめん」
弥隼はそんな景にクスリと笑うと、気分を害す様子もなく嬉しそうに「卜術」なるものを説明してくれた
「卜術っていうのは占いの一種です」
「う、占い!」
景が逞しい男子から出てきた「占い」というワードに驚くと
「あー.....女子って占いとか好きだよなー」
と咲夜が笑う



