しかしながら、潮見の興味の的

それは自分だった


魔術科の彼はいわゆる魔術オタクというやつで

自分がMagicAssociation本部の人間であることを見抜いていたのだ



だから小高爽馬の依頼で景に近づいたにも関わらず、むしろ自分が目的で景が潮見に拉致されたと分かった時は、つい動揺してしまった



『景を離せ!』


『君が俺のことを嗅ぎ回っているのは知っていたが、こうなるとは思わなかったね。30秒で彼女を拘束した理由を言え』



ルークは、潮見に怒っているようで

自分に苛立っていたのだ


これは遊びじゃない


本部の人間として仕事で彼女を守りに日本まで来たのに、さっそく正体が露呈しかけてさらに彼女をこんな目に遭わせている


この件を、彼女になんと説明しよう


不審がられるだろうか

怖がられるだろうか


これでは小高爽馬に合わせる顔もない



しかし、そんなルークに景は



『でも、言いにくいことは言わなくていいよ、ルーク君』


そう言ってくれたのだった