生徒だけど寮母やります!2

「よっっ」

ライが景の指示通りに攻撃し始めて2分ほど経ち

いったいこの攻撃に意味があるのかと市河が首をかしげた時


ついに木から木へと飛んでいた爽馬の体がガクンと傾き、そしてそのまま地にドサリと落下した


「..........!!」

「爽馬が落ちた!?.....何だ.....ライ、強い電流でも」

「いや.....放ってない。.....何かしたとしたら.....多分景と結斗だな」


シュッッ

ライのその言葉と同時に、突然彼らの横に結斗が現れた

ということは、彼は今まで霧姿になっていたということだ


そしてテトテトと駆け寄ってきたシベリアンハスキー姿の景を抱き上げると、彼は

「お疲れ様景ちゃん。あと、まぁ君たちもね」

と不敵に微笑んだ


「うん.....結構疲れたんだけど、2人とも.....何やったんだ?」


長時間ライと市河を乗せて飛び回っていた咲夜の質問

答えたのは、元の姿に戻った景だった


「ふぅ.....実は結斗はずっと、霧になって爽馬にぴったりとくっついて精気を吸い取ってたんだよ」

「「え!?」」

「は!?」

その言葉に一番驚いたのは、そんな結斗がぴたりとくっついていた爽馬を常時狙って電流を放っていたライだ


彼は瞬時に考えを巡らせると

「なるほど.....結斗は霧になると見えなくなる。でもお前は嗅覚で結斗のいる場所を特定できるから、結斗がいない場所を狙うようにテレパシーで指示してきたってことか」

と呟いた

よもや電流でバンバン狙われている爽馬は、そんな狙われている自分のすぐ横に結斗が潜んでいるとは思わないだろう


「そういうこと。君がいい感じに爽馬から電流を外してくれるから、爽馬に纏わり付いてた俺としては比較的安全だったよ」

「悪かったな外しまくって」

ライが無表情のまま結斗に謝った時


「わっっ.....!」

景が突然短い悲鳴をあげて、がくりと膝から崩れた