翌日

土曜日


女子寮の自室でぐっすり眠った景は、今日も男子寮Bの朝食を準備するため5時半に起床した


最近、結斗や爽馬のことが気になって良く眠れていなかったからだろうか


昨晩は一気に眠気に襲われて、久しぶりに深い眠りにつくことができた


そんなことを考えながら身支度を整えて自室を出ると、景は数人の女子たちが廊下にいることに驚いた


まだ朝の6時なのに.....

なんでこんなに生徒たちが起きてるんだろう?



男子寮で働く自分にとってはいつものことだ


しかし、こんな早朝に女子寮を出て行くのは自分くらいしかいないばず


いつもとは何か違う光景に目を見張る景に、良く知った声が後ろから声をかけた


「おはよう。あなたは気にしないで男子寮Bに行けばいいわ」

「有姫ちゃん」


声の主は、可愛らしいピンクのパジャマ姿の波屋有姫


えっと.....なんで.....

有姫ちゃんまで起きてるの.....?


有姫は百面相をする景を真顔で見ながら

「なんか良くわかんないけど、妖術科の女共が小高家に突撃するらしいわよ」

と溜息をついた


「小高家.....!?」


有姫の口から聞くとは思わなかったその名前に景は眉をしかめる


「なんでも、妖術科の熱狂的な爽馬君ファンたちが、彼は脅されて犯罪を強要されてるだとかなんとか言ってるのよ。だから実家へ行って爽馬君を救出するんですって」