生徒だけど寮母やります!2







その週の金曜日


来週の文化祭準備に追われる生徒会の仕事を終えた結斗は、ケータイを片手にみんなより少し遅く帰寮した


「ただいま、みんな、景ちゃん」

「おかえりー」

「お疲れー」

「おかえりなさい、結斗」

「お疲れ様です先輩」


夕食の時間、ダイニングに集まっていたみんなが結斗を迎える


いつもなら彼は部屋で制服からラフな格好に着替えるのだが、今日は制服のままテーブルに着席した


「あれ、着替えないの」

咲夜がお箸をペン回しのごとくクルクルと回しながら、不思議そうに彼を見る


結斗はブレザーを脱いでケータイをYシャツのポケットにしまいながら口を開いた


「今日はここで夕飯を食べたらすぐ家に帰ろうと思って、今実家に連絡したんだ」

「あー、そっか。心配だよな」

市河が、結斗の言葉に顔をしかめながら頷く


「うん.....やっぱり、会って顔を見ておきたいのと、ちゃんと話を聞こうと思って。明日のお昼には帰るよ。景ちゃん、特別外出届.....貰えるかな?」


お茶の給仕をしていた景は彼にそう尋ねられ

「分かった。じゃあすぐにとってくる。みんな食べてて」

と笑顔を作った


「ありがとう、ごめんね」

「いやいや、久々の実家だし、ゆっくり行ってきて」

「.....うん。でもやっぱり景ちゃんといたいから、なるべく早く戻って来るね」

「ゆっくり行け」


眉をしかめてライが結斗を睨む


こんな状況の中の、いつもと変わらない光景


何気ない日々が本当はとても幸せなのだと、改めてそう実感しながら、景は特別外出届を取りにキッチンの奥にある寮母室へと向かった