生徒だけど寮母やります!2

「うん.....爽馬は見た目じゃ無表情で冷たい目をした人だったから.....でも本当は凄く優しい人」


そう言う景に、ルークは麦茶をコップに注ぎながら

「無表情.....冷たい目.....写真はそんな感じだったか」

と呟いた


伊吹グループのホームページに上がっていた写真

景はあれ以来一度も見ていないが、爽馬の顔が頭から離れない


魔術や妖術が絡む事件では警察が動かないと聞いたけれど

伊吹グループも、だからといって顔の公開までする必要はないではないか


そんなことを考えていると、突然ルークが口を開いた

「でも、先輩たちからそんなに好かれてる人が.....あんなことして。何があったんですかネ。わざわざこの寮抜けて」


わざわざ.....この寮を抜けて.....


景は黙り込んで、この寮から離れることを決意した頃の爽馬を思い出した


「寮を出なくてはいけない」

ではなくて

「寮を出ることにした」


爽馬にはこの寮を抜けてやりたいことがあったのではなかったか


伊吹グループに侵入するのが、やりたいこと.....?


目を瞑って


あの頃に戻って

爽馬の言葉を思い出す