いつも通りルークと合流して男子寮Bへと帰った景は、その日のデザートを作りながら先ほどの出来事を振り返っていた
友達やみんながいるから大丈夫
これは本当
しかし
今、爽馬が何をしてるのかとか
どんな気持ちでいるのかを考えると
切なさと
切なさよりも大きな哀しさと
哀しさよりも大きな恐怖に襲われる
爽馬がもう、自分たちとは違う
全く関係ない人になってしまったんじゃないかとか
爽馬にとって、自分たちはただの「過去」でしか無いんじゃないかとか
本当は
自分たちのことが嫌いだったんじゃないかとか
あの時一緒に笑っていた爽馬の心の中は、本当に楽しんでいたのだろうかと
考えれば考えるほど、分からないことが怖かった
「景.....手、とまってるよ」
キッチンに勝手に入り冷蔵庫を探っていたルークに指摘される
「あ、うん.....ごめん」
何がごめんなのか自分でもよく分からないが、つい謝る景にルークは
「伊吹先輩のこと?」
と首をかしげた
「んー.....」
「前までこの寮にいた、小高って人のこと?」
ルークの口から爽馬の名前が出て、景は思わず硬直する
私、バレバレだなぁ.....
ルークは「へぇ」と頷くと
「この寮の先輩たちみんな、彼のこと心配してるから。みんなから相当好かれてたんだろうと思うけど、あの写真見る限りあんまりそんな人に見えないですけどネ」
と首をすくめた



