生徒だけど寮母やります!2

「でもま、寮母なんて学科授業よりも大変でしょ。頑張って!」


人の事情に深く突っ込んだりせず、笑顔でエールを送ってくれる


月沼くんって.....優しいんだな.....


思わずじっと月沼を見つめてしまった景に、彼は

「どうしたの?」

と不思議そうな顔をした


「あ、いや.....ええと.....」


景はなんとなく

月沼なら話しても大丈夫なんじゃないか

そんな気になって思ったことを正直に言った


「今日、月沼君が結斗に話しかけてるところを見て.....優しい人だなって思ったから、話せて嬉しかったというか」


景の言葉に、月沼は笑顔を見せる

「そうだったんだ。ありがとう。でも優しいっていうかなんていうか.....」

「..........?」

「実は僕の家も貿易の会社やっててさ、伊吹んちの会社よりは全然小さいけど。一年の頃はそれで意気投合したんだ。だからまぁ.....気持ちが分かるっていうか、なんていうか。それできっと、辛いだろうなと思って声かけただけだから」


そっか.....

景は小さく頷きながら聞くと

「うん、やっぱり優しいね、月沼くんは。話してみないと分からなかったよ」


と顔をほころばせた

月沼も謙遜してはいるが、どこか嬉しそうな顔で「ありがとう」と笑う


そして

「でも、前まで男子寮Bにいた妖術科の小高君も絡んでるってきいたし.....笠上さんだってつらいよね」

と慰めてくれた


「ん.....んー.....ううん。こうして話せる友達や男子寮Bのみんながいるし、大丈夫!」

景の気丈な笑顔に、月沼は満足したように笑う

「本当だね、逞しい寮母だよ」

「ありがとう」


2人は笑い合うと

「それじゃ、また」

「うん、またね」


別れの挨拶を交わし


月沼は学科授業、景は男子寮Bへと、それぞれ歩いて行った