彼女のペースに飲まれ始め、そう尋ねた満宵はそんな自分に気づきハッとした


彼女は満宵に、柔らかく微笑んで「そうだよ」と頷く


そんな彼女が花を見つめる目があまりにも優しくて、その場にいた5人は思わずその顔をジッと見てしまった


..........とはいえ

ここは男子寮


いけない

何自分まで納得してこの子、いや、花に見入ってるんや

そう思った弥隼が「せ、せやから」と女子生徒に話しかけたその時


「あっ、いたいた。なかなか帰ってこないと思ったら。こんな所でさっそく1年生と仲良くなってたんだね、景ちゃん」


と、先程の寮にいた先輩に後ろから声をかけられ、全員がそちらを向いた


1年生と仲良く.....?

ケイちゃん.....?


5人は頭の中で、その先輩の言葉を反芻する


「おはよう、結斗。ごめんね、朝から寮あけてて。でもまさか新入生の子達が来て早々花壇を見てくれてるとは思わなくて嬉しかったの」

「うん、よかったね」