「えっと.....それじゃあ.....お言葉に甘えて。ちょっと分からない問題があるんだけど.....」


申し訳なさそうに言う景に、ルークは笑みを浮かべる


椅子から立ち上がり、景が座る椅子の横から問題集を覗いた


「どれ」

「この問題の2番.....ここまでは理解できるんだけど、なんでこれがこうなるの?」

「うん、これは公式を覚えてないと出来ないやつ。いらない紙ある?」

「あ、このノートなら」


景のボールペンを手に取り、さらさらと問題を書き写すルーク


考えてみれば年下に教えてもらってるんだけど

「この公式を使えばこの式がこう変形されて.....」

字もうまいし分かりやすい.....


凄い.....

私が理解してない部分を的確に教えてくれる.....


こうして景は彼の完璧な説明にふむふむと納得しながら、一時間ほどで宿題を終わらせた


ルークのおかげでいつもの倍早く終わったと言っても良いだろう


最後の問題を解き終えた景は、達成感を感じながら伸びをした

「ふぅー.....!ありがとう、スッッゴイ分かり易かった!」


晴れ晴れとした表情でノートを片す景に、ルークは優しく微笑む


「私ミヨちゃんのところに行ってくるね。ルーク君は付き合わせちゃったから、ゆっくり休んで」

「はいはい」


ふっと笑って頷くルーク


景はパタパタと忙しなく階段を駆け上がっていく後ろ姿をルークに見送られながら、満宵の部屋へと急いでいった