黒瀧くんは急にまっすぐ私を見つめる。



「条件より大事なもん、あんだろ?」



ーードキ。



な、なにそれは…。


この前私がああ言ったから?


何が言いたいのよ。



「俺はモモに、条件とか先入観とか、そーいうの無視で俺のこと好きになってほしいと思ってるよ。

この店に連れて来たのだって、モモに俺と同じ感動を味わって欲しかったからだし」



…えっ?



「…同じ、感動?」


「うん。

俺もガキの頃はあんまこういう店来たことなくて、でもある時たまたま友達に連れられて来たらすげーうまくてさ。

モモも食ったらビックリすると思ったから。

そしたらマジで今ビックリしてくれたみたいで嬉しかった」


「……っ」