「…っ、」



声にならない声と、涙がどんどん溢れてきて、止まらなくなる。


なんだかもうすべてがおしまいみたいな気持ちで、

フェンスに顔を突っ伏して泣いた。



「翼くんの…っ、ばか…。

ばかぁ〜っ!」



誰か嘘だと言ってよ。


これが悪い夢だと言って。


きっと何かの間違いだって。


言って欲しいのに…。



「うぅ…っ」



誰もいない屋上に、私の泣き声だけが響く。


世界から取り残されたような気持ちになった。



だけどその時…。



ーーバァン!!



ふいに屋上のドアが開く音がして。


私は驚いて後ろを振り返った。



…誰?