『…ピーンポーン。

今から体育館で、芸術祭の表彰式が行われます。

全校生徒のみなさんは、体育館へお集まりください』



放送でアナウンスが流れる。


11月の屋上はとても寒い。


私は白い息を吐きながら、黒いドレスに身を包みフェンスにもたれかかっていた。



なんだかもういろんなことがどうでもいい。


表彰式なんて出たくないし、みんなのところに戻りたくもない。


だからしばらくここに隠れていようと思った。



教室にいたらきっと、見回りの先生が体育館へ行けって誘導するに違いないし。


屋上なら誰もこない。


もうこのままヘリでも呼んで連れて帰ってもらいたいくらい。

誰にも会いたくなかった。