…ありえないことが起こった。


それは劇の本番中。


まさかの俺の後ろにいた小人がクシャミをして、俺にぶつかるというもの。



ステージはセットであまり奥行きがないから、ケースのうしろに俺、そして小人、と距離があまりない。


だからそいつの頭突きを俺はまともにくらってしまった。


ビックリだ。



何度も練習させられたキスシーン。


2、3センチ離れたギリギリくらいまで俺は白百合に近づかなければいけない。


当然恥ずかしいし、難しい。


本当にしているように見せる、というのが課題だった。