視聴覚室はまだ男子が少し残っていて、数人で雑談しているのが聞こえた。
私はそこへそろっと入って行く。
気づかれないようにそっとスマホだけ取って帰るわ。
翼くん待たせてるし。
でも隅っこに落ちていたピンクのスマホケースを手に取り、ドアから出た瞬間、ふとこんな会話が聞こえてきて。
私は思わず足を止めた。
「なぁ、ぶっちゃけ桃果ちゃんと可憐ちゃん、どっち派?」
ーードクン。
ワイワイ話す男子の声。
それはあれだ。
可憐ちゃんというのは白百合さんの名前で。
まさか陰でこんなふうに比べられていたとは…。
こういうの、聞かないほうがいいのよね?
だけど、やっぱり気になってしまってその場から動けなかった。



