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「おつかれ」
ポン、と翼くんの手のひらが乗る。
私はムスッとした顔で彼を見上げた。
「…おつかれさま」
今日も劇の練習が終わって一緒に帰るところ。
最近私は彼に合わせて毎日電車で帰っている。
あんまり電車通学は好きじゃないのに。
わざわざ帰るのは少しでも一緒にいたいから…。
なのに、このありさま。
やっぱり機嫌が顔に出ちゃう。
「どうした?またご機嫌ナナメじゃん」
翼くんはそう言いながらクスッと笑う。
だけど私はどうしても腑に落ちないことがあった。
ほら、アレだ。
”つーくん”
白百合さんのあの呼び方、あの態度がどうしても気になって。
でも言い出せなかった。
ヤキモチ妬いてるって思われたら嫌だし。



