【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。


翼くんはさらにうつむいたままの私の顔を覗き込むように話しかける。



「昨日俺見舞い行ったんだけど、モモ寝てたみたいだったから。

差し入れ置いて帰ってきたけど、気付いた?」



…なんて、まるで何もなかったみたいな言い方。


だけど、知ってるふりしちゃダメよね。


翼くんは寝てたと思ってるんだから。



「…き、気づいたわよ。ありがとう。

翼くんが来てたことは羽山に聞いたから。

わざわざどうも」



私が答えると翼くんは一瞬黙って



「……そっか」



その間がなんだか気になる。


でも…あんなふいうち反則よね。


だから私も知らないフリしてるわ。



「連絡…返さなくてごめんね。

今日はちゃんと練習も出るし、大丈夫だから」


「ハハ、別にLINEとかは大丈夫。モモが元気そうならよかった。

あ、つーかチャイム鳴るなそろそろ。

それじゃまたあとでな」



そしてそんな何気ない会話をして彼はそのままにこやかにその場を去っていった…のだけれど。