翼くんはさらにもう片方の手で私の額に触れる。
冷えピタの上からだったけど、その感触にまた表情が崩れそうだった。
「熱、まだありそうだな」
どうしよう…。声がすごく、近いんだけど。
そしてそっとその手を離すと、
「モモいないとやっぱり、つまんねぇよ」
拗ねたような言い方に、胸がきゅうっとなった。
そんなこと、思ってくれてたんだ…。
さっきまでのネガティブが少し溶かされていくかのよう。
だけど、次の言葉で一気に…
「今日キスシーンの練習やった」
ーードッキーン!
突き落とされた。
それ、私が一番聞きたくなかった話…。
「相葉がうるせーから何回もダメ出しされてさ。
何度も同じとこやり直して、すげー疲れた」
…そ、そうなんだ。
ってことは、キスシーンいっぱいやったってこと?
あぁ、想像しただけで胃が痛くなりそう。
「いっそのことマジでキスしたら?とか言われたけど、そんなん無理に決まってるよな」
……っ!



