さらに念を押してくる。
この人はさすが、私の弱いところをわかっているようだった。
こんなふうに言われたら断りづらい。
っていうか私って、結局押しに弱くて…。
「……っ。わ、わかったわよ!そのかわり…」
なんだかんだ受け入れてしまうのだった。
「ずっと寝たフリしてるからね!
すぐ帰ってもらってよ。
まだ寝てるっていうのよ!」
そう答えると羽山は満足したように笑って。
「かしこまりました」
翼くんを迎えに部屋から出て行った。
…はぁ。
なんだか流されてしまった感じだけど、仕方ない。
軽く乱れた髪を整え、再び横になる。
ごめんね。素直になれなくて。
今は会わせる顔がないの。
とりあえずずっと寝たふりしてるわ。
だけど翼くんが心配して来てくれた事が、内心やっぱり嬉しかった。



