思わず台本をぐしゃっと丸めてしまいそうだった。
ふざけてる…。
ふざけすぎだわ。
魔女役が哀れすぎじゃないの。
そして回ってきた自己紹介。
私は眉間にシワがよらないようにするだけで精一杯で。
「今回…魔女役をやることになりました、有栖川桃果です…。
よろしくお願いします…」
ーーパチパチパチ!
頑張りますともなんとも言えなかった。
やりたくないのに。
嫌なのに。
みんなにこやかに拍手しちゃって、もう!
隣にいた詩織がポンポンと私の頭を撫でる。
あまりの屈辱に今度は泣けてきそうだった。
翼くんは隣の白百合さんとさっそく話してる。
あぁ、なによ。
楽しそうに話しちゃって!
急に色々なものを全て彼女に持って行かれそうで、苛立ちと焦りでたまらない気持ちになった。



