【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。


デレデレしながら彼女に視線を送る。



「ちょっと、桃果、顔が般若(はんにゃ)になってる」


「…はっ!?」



ぼそっと詩織に小声で言われて慌てて顔を元に戻した。


うぅ…


なんなのよ、あの女…。


いいとこ取りばっかりして……。



そして次は翼くんの挨拶。



「えー、今回王子役をやらせていただくことになりました。黒瀧翼です。

演劇は初めてですが、頑張ります。

よろしくお願いします」



「「きゃぁぁ〜っ!♡」」



小声で女子がキャッキャ騒ぐ。


翼くんはちらっと私の方を見たけれど、私は思いきり目を逸らした。



だってなんか、この配役で共演なんて…。


王子と姫ならまだしも。


私王子の敵なのよ。なんなのよ。


あの女とキスシーンまでやると思ったら、翼くんにまで腹が立ってくるわ。