こんなふうに詩織には毎回からかわれるけど、私は絶対彼だけは好きになりたくなかった。 私の中で黒瀧翼はイイ男というより、ライバルで。 負けたくない存在。 いつからかなぜか対抗意識が芽生えていた。 それはみんながもてはやすからなのか、テストで張り合うからなのかはわからないけど…。 だから、この時は思ってもみなかった。 まさかこんなことになるなんて……。 だけど突然、その日はやってきた。