「ついた」
「…っ、」
だめだ、言葉が出ない。
綺麗すぎる、この夜景。
都会の灯りが、キラキラしてて……
あぁ、やばい…
「灯…ありがとね…」
涙をぐっと堪える。
「……大事な話がある。」
「ん?」
「今までの俺の……」
灯の過去が重たく苦しい過去だってことは
薄々気づいてた。
だけど、聞く勇気がなくて
今までずっと、聞けずにいたんだ。
灯が好き。
なら、灯の重い過去あたしにも分けてほしい。
あたしが灯の支えになれるかとか
わかんないけど、
今より少しぐらい、灯だって楽になるだろう
「…ゆっくりでいいよ。あたしちゃんと聞いてるから。」
こくり、と頷く灯をみて
あたしはしっかり灯を見つめた。


