偽悪役者

「どうした?」


「なに固まってるんだ?」



驚きの表情のまま微動だにしない静音に、篠宮と要は不思議そうだ。



「いい、の…?」


「何がだ?」



「だって……私は……、私達は………」



手厚く葬られるなど。



考えもしなかった。


考えてはいけないと思っていた。



前を向いて今を生きても。


最期に逝き着くのは、それなりのところなんだと。


あらゆる人生の末路を見てきたから。



自分もそうなるんだろうなと、何となくの漠然とした思いはあった。



「法律がどうであろうと、静音の大切な2人だ。そういう事はちゃんとしなきゃいけないよ。」



「そうだぞ。静音の大切な人は、俺達の大切な人でもあるんだからな。」



ありきたりなセリフなのに、篠宮と要が言うとこうも違って聞こえるのか。


静音の心に響いて仕方がない。



「シノさん…要さん……ありがとう。」



微笑みながらも涙目になる静音。



「泣くな。まだ早いぞ。」


「そうだよ。犯人逮捕しなきゃね。」



「うん!」



静音は莉央と深緒に加え、信じられた篠宮と要の想いにも応えようと決めたのだった。