偽悪役者

「そういうことだったのか……」



静音が話終えると、篠宮は止めていた息を吐き出す様に言う。



「うん。嘘を付いててごめんなさい。」


「…いや、よく話してくれた。」



一番身近にいた自分達にさえずっと隠してきたのだ。



本当の罪を償うことが出来ず、かといって言うことも出来ず。


悟られないよう振る舞うのはどれほど辛かっただろう。



罪悪感からか苦しげに、それでいて胸のつかえが取れたような表情の静音に、要は出会った頃を思い出し頭を優しく撫でた。



「だが、なんで俺達に言わなかったんだ?」



「先輩……まだ拘ります?」


「当たり前だ。」



篠宮はかなり気にしていたようで、この点だけは要の方が大人だ。


「だって……言ったら、今話したこと全部喋ってしまいそうだったから。翁さんから、シノさんと要さんに連絡あると思わなかったし。」



5年前の退院が延期になった騒動の原因は、他の人に静音のことを馬鹿にされたからということは翁から聞いた感じ間違いない。



翁は、見下している静音と自分達を同類にされたことでキレたと思ったらしいが、そこまで詳しい話を篠宮とはしていなかった。