偽悪役者

しかし、物事の背景も見ず素行不良は全て悪だと決めつけてしまう警察官だとグルだと思われ無意味になってしまう。



2人はそれを防ぐ為にも、信頼出来る人を探せと言ったのだ。


そして、静音の観察眼ならそれが可能だと2人には自信があった。



「見付けたら、俺達のことを話せ。もちろん、シミュレーション通り俺達は悪役だ。それまでは何も話すな。」


「あたしらも静音が話すまでは話さないからさ。」



自分達は施設では厄介者。


居なくなっても問題ないことは分かっていた。



だから、自分達のことが知れる時は静音が信頼出来る人を見付けた時。



それが、前を向く合図だ。



「分かった。居るかどうかは分かんないけどやってみる。」



2人の想いに応えたいから、静音はもう一度大人を信じてみようと思った。



「よし!それと分かってるとは思うけど、このことは誰にも秘密だからな。」


「3人だけの秘密ね。」



「うん。秘密!」



自分じゃない誰かを守る為の約束。


他人にはきっと分からない絆。


それでも良いと思えた。


この子が幸せになれるのなら。


どこかで笑っていられるのなら。