偽悪役者

「……分かった。」



莉央と深緒の覚悟と想いが伝わったのか、強く頷き静音は承諾した。



「よし!じゃあシミュレーションを」


「でも、莉央にぃも深緒ねぇもお芝居出来るの?相手、警察官だよ?」



張り切っている莉央の言葉を遮って、静音は疑問を口にする。


サラリーマン相手とはまるで違う、警察官である相手は有る意味プロだ。



「何とかなるだろ。つか、静音の方こそどうなんだよ。」



「な、何とかなるよ。」




「……何とかで、なるの?」



莉央の演技力が無いのは知っているし、静音の動揺具合で深緒はかなり不安になる。



「だ、だからシミュレーションすんだよ。」



パトカーのルートは補導されないように、静音に会う前から把握しているから出会いの確率は問題ない。


3人はそれから何回もシミュレーションを重ねた。



「よし!こんなもんだろ。」


「結構何とかなるもんね。」



静音と一緒にしていたことで、知らない内に演技力がついたらしい。



シミュレーションだけなら、ばっちりだ。



どんな警察官が来るか分からないけれど、後はその場の雰囲気に合わせるしかない。