偽悪役者

「同じじゃねぇよ。俺達と静音は天と地ほどの差があるんだよ。けどな、俺達は静音と会って変われたんだ。静音と一緒に居たいから変わろうと思えたんだよ。」



親にさえ見捨てられた自分達。


自暴自棄になっていたのを救ってくれたのは、紛れもなく静音の母親を助けたいと思う純粋な気持ちだった。



「あたしらはさ、ただムカついてたんだ、世の中に。ガキみたいで幼稚だって分かってたけど、止められなかった。それを静音が止めてくれたんだよ。」



だから今、静音の為に悪役にだってなれる。



「莉央にぃ……深緒ねぇ………」



2人の優しさに気付けないほど、静音は鈍感ではない。



「会えなくてもあたしらはそばにいるよ。いつも静音を想ってる。」



「そうだ。どこかに必ずいてやるから、我慢しろ。気が向いたら探してやるよ。気が向いたらだけどな。」



探す気が有るのか無いのか。


優しく笑う深緒も、軽く笑う莉央もきっと後者だと、静音は分かっている。



二度と会わない方がお互いの為だなんて。


未来の為に今を棄てる。





馬鹿だと笑われるのだろうか?



それでも、道を変えるなら今しかないのだ。