偽悪役者

「でも……」



2人に言われても、静音の中で決まった答えを変える気はないようで。



「……はぁ。分かったよ、静音。自首しよう。」


「え、いいの?」



「仕方がないだろ。静音が頑固なの知ってるだろ?」


「確かに。最初に会った時も頑固だったっけ。」



誰かの為なら自己犠牲もいとわない、静音の意志の固さは筋金入りだ。


莉央と深緒は呆れながら笑う。



「静音、自首するのはいいけどな、約束がいくつかある。守れるか?」


「約束?なに?」



莉央には、静音に願うように言う。



「今までの全部、俺達に脅されてしたことにしろ。」



「え?どういうこと?私、脅されてないよ?っていうか、元々私が」



「良いんだ、俺達を悪役にしろ。」



「悪役って……」


「なるほど。そうすればまだマシね。」



静音の家庭事情と自分達に対しての周りの評価。


これを利用すれば、静音だけなら何とかなるはずだと莉央は考えた。


深緒も、莉央の考えに納得する。



「でもそれじゃ、莉央にぃと深緒ねぇだけが悪いみたいじゃない!私だって同じなのに……」



自分だけ罰を受けないなんて。