偽悪役者

莉央と深緒に初めて出会ったのは、篠宮達に保護される2年前。

静音が11歳の時。


出会った場所は商店街などではなく、午後10時の、飲み屋街から少し外れた薄暗い小道だった。



「お前、こんなとこで何やってんだ?」


「あんた何歳?小学生…だよね?迷子?親とはぐれちゃった?」



自分達のことを棚に上げた14歳の莉央と深緒は、不釣り合いな時間と場所にいた静音へ問い掛ける。



「迷子じゃないし。どっかいって。」



ムッと、鬱陶しそうに言って静音は2人と距離を置く。



「おいおい。迷子じゃなかったら家出か?…にしては荷物がねぇな。」


「何でもいいでしょ。放っておいて。」



探る莉央に、静音はプイッと顔を背けた。



「もしかして親いないとか?」


「お父さんは死んじゃったけど、お母さんがいる。入院してるからお金がいるの。だからお金稼いでるの。」


「稼ぐって…、あんたまさか…?!」



「その歳で引っ掛かる男がいるのかよ?」


「いるよ。それに財布盗るだけだし。」



静音はしれっと言ってのけるが、実際はドラマで見た方法を真似てたまたま成功し、今まで失敗していないだけだ。