偽悪役者

「静音……」


「いや、俺も怒鳴って悪かった…」



悲しげに謝る静音に、いたたまれなくなった。



「ううん。シノさんの言いたかったこと、何となく分かるから。私が話さなかったことが悲しかった……だよね?」



疑問系でも核心をつく言い方で。


表情を読み取る感覚は健在らしい。



「ああ…でも、理由も聞かずに一方的だった。それは謝らなければならないと思ってたんだ。」



静音が理由も無く、黙っている訳ではないと思えるようになった。


いや、何か理由があるからこそ黙っているのだと気付いた。



「シノさんらしいや。私の話、いつもちゃんと聞こうとしてくれる。」



大人の都合で子供だからと蔑ろにせず、いつも向き合ってくれた。


難しいから分からないだろうと投げ出さず、いつも分かるまで教えてくれた。



そんな2人だから、信じられたんだ。



「シノさん、要さん。私は嘘を付いてました。逢沢莉央と逢沢深緒は私の大切な人達です。脅されてなんかいません。私も共犯なんです。」





私は罪人です。

今からでも、償えますか?



あの2人は良い人達です。

今更でも、信じてくれますか?