偽悪役者

「よう、柊。お仲間の弔合戦に参加させてくれてありがとよ。おかげで連日クタクタだ。」


「全くはた迷惑な話ですよねぇ。」



篠宮と一悶着あった翌日、静音が出勤してきて早々に嫌味を放ったのは、静音の指導役である厄塒(ヤクシ)巡査部長34歳と静音の先輩に当たる卍擽(バンリャク)巡査25歳。


まあ、この2人の嫌味は刑事課内でもマシな方だ。



「こいつ知ってるか?」


「いえ、知りませんけど。誰ですか?」



厄塒から見せられた写真には1人の男が写っていたが、静音には見覚えがなかった。



「季更津馨鶴亮。蝶笂組の幹部だ。」



蝶笂組(チョウツボグミ)。

大きくも小さくもなく、小競り合い程度が日常の中規模な暴力団だ。


季更津馨鶴亮(キサラヅ カズアキ)が40歳にして幹部といっても、さほど影響力は無い。



「その季更津がどうかしたんですか?」


「半グレ使って、若いガキを探してたって話があってよ。最近シメたって言ってたらしいぜ。」


「ガキ………?まさか…」


「そのまさか、かもな。だが、推測の域を出ない。」



シメた、イコール、死に至る程の暴行を加えたのだろか?