偽悪役者

「……静音が、ですか…?あいつそんなこと一言も…」


『私もその刑事から聞いたんですけどね。静音ちゃん、自分から話したみたいです。』



知らないと嘘を付く必要は無いが、無関係ではない自分や要に何故連絡が来なかったのか理由が分からない。



『部外者が口を出すのもどうかと思ったんですが、気になってしまって。篠宮さんなら何か知っているのではないかとお電話したんですけど、静音ちゃん言ってなかったんですね。』


「ああ…はい。たまに会うぐらいですが、特段変わった様子は…。刑事課の仕事も、大変だけどやりがいあるし楽しいと言ってたんですけど。」



女性が少ない刑事課。


苦労もあるだろうが、静音が話す言葉の節々には楽しさを感じていた。



なのに。



『刑事課で色々あるみたいで。聞きに来たその刑事の印象は、あまり良いものとは言えませんから。これでも長年、悪ガキどもを見てきてますからね。ああいう目つきの奴は気を付けた方がいい。ことがことです、静音ちゃんと一度話された方がよろしいのではないかと。』


「ええ…はい。ありがとうございます。」



篠宮は今更ながら、静音のことが分からなくなった。