偽悪役者

莉央と深緒の2人が行方不明になってから、1年半が経った。


しかし、その間に特に進展は無く、静音への接触も無い。


不気味なほどに、全くの音信不通であった。



そして、今日はひな祭り……の5日後。


ひな祭り当日が休みではなかった為、今日にしようということになったのだ。



「うわ~!毎年思うけど、豪勢。美味しそうっ!」


「先輩、年重ねるごとに上達してますね。」



机の上には、海鮮がのったちらし寿司に、鯛の塩焼き、蛤のお吸い物と並んでいる。



「まあだいぶ慣れたからな。さっ、食べるか。」


「ちょっと待って。食べる前に報告があります!」



静音はニンマリと含み笑いをする。



「報告?」


「報告って……、まさか彼氏とか!?」



「要さん違うから…、もっと良いこと。」



クスクスと笑いながら、静音は要らしい勘違いだなと思う。



「実は…、この春より刑事課に異動することが決まりました!」



「本当か!良かったな。」


「凄いじゃないか!」



先日、課長から内示があった。


正式に辞令が出るのは一週間後なのだが、静音は2人に言いたくてウズウズしていた。