偽悪役者

「ああ……、間に合う…間に合うに決まってる。静音ちゃんなら良い警察官なれる。」


「ほん、と…?」



「ほんとだ。俺が保証する。」



妻の葬式でも、人前で泣いたことなど無かったのだが、静音の精一杯の言葉に感極まり、篠宮は溢れ出る涙を抑えることが出来なかった。



暫くして………………、



ぐぅ~



「あ。」



「腹減ったな。朝飯まだだったな。」


「あははっ…そうだった。」



早く自分の気持ちを言いたかったので、静音は起きてすぐに話始めてしまった。


終わって、しかも良い方向に収まったことで安心し、思い出したように静音のお腹が限界だと知らせてきたのだ。



「トーストでいいか?」


「うん。」



本当はご飯派なのだが、妻が亡くなってからは、朝は食べないか出勤途中でコンビニへ寄るかだ。


今日は静音がいるので、簡単に出来るトーストを選択した。



「絣乂さんに言わないとな。要にも。2人とも喜ぶぞ。」



「ほんと?」


「ああ。今日でもいいが、せっかくの休みだからな。どこか行くか?」



「…!うん、行く!」



2人の心はもう、親子以上かもしれなかった。