偽悪役者

「あの2人、かなり悪評でした。」



篠宮から連絡をもらった後、要は施設名と2人の名前から莉央と深緒を調べた。



「逮捕まではいきませんが、喧嘩に万引き、カツアゲと補導は数えきれません。夜中に出歩いたり連絡を入れなかったりするのは日常茶飯事だったそうです。」



「だから捜索願が出てなかったのか。」


「はい。いつものことだと思ったようで。とうとう、って電話口で呆れてました。」



両親が離婚し、親権を押し付けあった結果施設に入れられたので、当初から手のつけられない2人だった。


今回のこともあまり驚かれることなく、話を聞くことが出来た。



「向こうに報告は?」


「しました。ただ、静音ちゃんが話したとは言ってないのに分かったらしく、悪態ついていたと担当の翁さんが仰っていました。」



少年院の法務教官の翁(オキナ)はこの道27年、51歳のベテランであるが、莉央と深緒の2人には手を焼いているらしい。



「更生する気がないんじゃ、出てくるのには時間がかかるな。」


「ええ。翁さんも頭抱えてました。」



自分の行いを反省している静音とは大違いだと、篠宮は溜め息をついたのだった。