確かめるように、しかしかなり断定を込めて来栖は問い掛けた。



「ああ。」


「噂はともかく、真実と静音の性格を知っている人間は少ないかもしれないな。」



それに対して、篠宮と要は肯定を示す。



「どういうことですか?」



「ペテン師も夜鷹も、柊には似合わなさすぎるわね。」


「似合わないというか、あり得ないって感じッス。」



橘は意味が分からず、轢夲と羮芻も来栖の言った言葉に引っ掛かる。



「篠宮さん、要さん、教えてください。柊に何があったんですか?」



椎名は知りたかった。

いや、知るべきだと思った。


初めて自分から知りたいと思えた静音のことを。



「いや、これはなあ……」


「僕達から言うことでは……」



椎名の言葉に、篠宮と要は顔を見合せ言い渋る。



「今回の件、柊はまた自分で抱え込む可能性がある。それを分かった上で受け止めて吐き出させてやるのも、親代わりの務めじゃないか?ここにいる奴らは、柊を責めるようなことはしないだろ?」


「係長…」


「そうですね。」



都澄の力強くも優しい言葉とそれに頷く2係の面々に、篠宮と要も想いを汲み取った。