「え……先輩聞き間違いですよね。今静音が鬱陶しいって…過剰って……僕の聞き間違いですよね!絶対そうですよね!」


「鬱陶しいは言ってないぞ。まぁ過剰は…な。」



自覚が全く無く泣きそうな要と、多少の自覚があるのか苦笑いの篠宮。



「というか、僕は椎名とのこと、認めたわけではないんですよ。静音だって迷惑そうだし、先輩なんとかしましょう。」


「お前に子供が出来てたら大変だっただろうな。まぁ、静音のことは俺も同じ意見だ。何か策を講じよう。」



「それが、過剰で鬱陶しいのでは……」



何やら作戦を立てようとする要と篠宮に、仁科はそれが静音に言われる原因なのではないかと思う。



「犬は主人にはなつくものよ。」


「主人……つか犬って……」



妙に納得している轢夲の趣味に引きずり込まれませんように、と羮芻は引きながら祈る。



「おっ、なんか楽しそうだな。」


「係長。親離れ出来てる子供と、子離れ出来て無い親と押しまくる恋人との三つ巴です。」



ニコニコと入ってきた都澄へ、的確に事情を説明する来栖はもう仕事に取りかかって蚊帳の外………いや、自ら出たといってもいいぐらいに我関せずだ。